ステーブルコイン
Circleのシンガポール決済ライセンスとTetherの採掘投資:2023年6月のニュース

2023年6月時点のこの歴史的な記事では、CCDataがステーブルコイン市場の14か月連続の縮小を報告しました。同社の5月版Stablecoins & CBDCs レポートでは、5月23日までの時価総額を約1,300億ドル、市場シェアを11.1%とし、2022年12月の16.6%を下回っていました。詳細な取引量の節によると、40.6%減の4,600億ドルという数字は2023年4月のものです。5月については22日までの途中集計で2,920億ドルでした。
以下は、その当時の市場動向と発行企業の発表をまとめたものです。
Circle、2023年6月にArbitrumでネイティブUSDCを開始
Circleは2023年6月8日の開始に向け、Arbitrum上でネイティブUSDCを発行すると発表しました。EthereumからブリッジされたUSDCとは異なり、CircleがArbitrum上で直接発行する版です。記事の当時の市場データでは、USDCの時価総額は約286億ドルで、ステーブルコインの中で2位でした。
ネイティブUSDCで機関投資家の資金入出金を円滑化
開始前のArbitrum上のUSDCはEthereumからブリッジされた版でした。ネイティブ版と区別するため、このトークンはUSDC.eと呼ばれました。両者は併存でき、開始時に自動変換されるわけではありません。ネイティブUSDCには複数の利点があり、同じトークンブリッジを利用せずに機関向けの資金入出金を行えることなどが挙げられました。Circleは当時、ArbitrumにCross-Chain Transfer Protocolを導入し、対応ネットワーク間でネイティブUSDCを移転できるようにする計画も示していました。

USDCの時価総額。出典:TradingView
流動性を段階的に移行するため、Arbitrumはエコシステム内のアプリと連携する予定でした。既存ブリッジを直ちに変更する必要はありません。Arbitrumは当時、Ethereum、Solana、Avalanche、TRON、Algorand、Stellar、Flow、Hederaなど、ネイティブUSDC対応ネットワークに加わりました。これは2023年当時の一覧です。流通していた約289億USDCの大部分はEthereum上にあり、その規模は約273億ドルでした。Arbitrum上に273億ドルあったという意味ではありません。
これらのプロジェクトの詳細については、当社のEthereumおよびArbitrumガイドをご覧ください。
Circle、2023年の債務上限問題に対応して準備資産の運用を変更
Circleは2023年の債務上限交渉の際、米国の債務不履行リスクを軽減するため、USDCを裏付ける準備資産の運用を調整し、現金、短い満期、レポ取引を重視しました。5月23日時点の報告では、ファンドが直接保有する残りの米国債はすべて5月31日までに満期を迎える予定でした。
Circle Reserve Fundを運用していたのはBlackRock (BLK )です。5月31日の報告では、レポ取引約228.82億ドルと現金約20.07億ドルが、決済調整前の資産として計上されていました。ファンド外の銀行預金もありました。レポは米国債を超過担保とする翌日物融資であり、米国債との関係がすべてなくなったわけではありません。
Circleがシンガポールで決済ライセンスを取得
Circle Singaporeは2023年6月7日のプレスリリースで、シンガポール金融管理局(MAS)から主要決済機関(MPI)ライセンスを取得したと発表しました。対象はデジタル決済トークンサービス、国内送金、国境を越える送金です。
Circleは、このライセンスを同社の活動への評価であり、アジアでの事業拡大に向けた重要な一歩だと説明しました。これは同社自身の発表内容です。
Jeremy AllaireとDante Disparteは、同社の拡大におけるシンガポールの重要性を強調しました。Circleはすでに2022年11月に原則承認を取得しており、2023年5月に現地オフィスを開設しました。同年2月には、政府支援を受けるTribeとWeb3開発者向けの研修・支援で協力していました。
USDCの詳細については、当社のUSD Coinへの投資ガイドをご覧ください。
Tether、再生可能エネルギーを使うビットコイン採掘計画に出資
USDTの発行企業Tetherは2023年6月5日、エルサルバドルのVolcano Energyへの参加を発表しました。この事業は発電と採掘に10億ドルの投資を目指していました。会長Max Keiserは、最初の2億5,000万ドルの投資が実行されたと述べました。メタパンの計画は241MWで、太陽光169MWと風力72MWから成ります。この投資額全体がTether単独の出資額だったわけではありません。

採掘難易度とネットワークのハッシュレート。出典:BTC.com
Tetherは自身の出資額を公表していませんでした。計画施設のハッシュレートは1.3EH/sを超えると予測されていました。これは見通しであり、実測の稼働実績や世界上位20プール入りを確定するものではありません。
南米の魅力
Tetherは2023年5月30日、エネルギーとビットコイン基盤への投資をウルグアイに拡大すると発表しました。現地の認可企業と協力し、再生可能電力を活用するためにエネルギー分野の専門家を募集していました。
Tetherの2023年第1四半期報告では、3月末のビットコイン保有額は約15億ドルでした。同社は5月17日、実現した純営業利益の最大15%をビットコイン購入に充てると発表しました。また、ウルグアイの発電量の約94%が再生可能エネルギーによるものだと説明しました。当時の最高技術責任者Paolo Ardoinoは、この取り組みを持続可能で責任ある採掘の機会として位置づけました。
この取り組みは、2023年5月末の採掘難易度上昇と同じ時期でした。Tetherはウルグアイの風力、太陽光、水力を利点として挙げました。元の記事にある2023年第3四半期半ばの稼働見通しは予定であり、確認済みの結果ではありません。事業を進めたのはUSDT発行企業Tetherで、USDC発行企業Circleではありません。
PoWマイニングの最新ニュースはこちらをご覧ください。
2023年5月、USDTの約5分の3がTron上に存在
Tron上のUSDTは、2023年5月末の集計によると約461.2億ドルに達し、流通量の60%超を占めていました。約5分の3であり、3分の2ではありません。この時期はTronメインネットの5周年と重なり、TronとEthereumのUSDT供給量の差は約100億ドルでした。

TRX/USDチャート
開発者の当時の説明では、Tronの累計取引数は56億件、ロックされた総価値は約55.6億ドルでした。Justin Sunは2023年の目標を設定し、ネットワーク上のステーブルコイン時価総額1,000億ドルを目指しました。これは目標で、達成済みの実績ではありません。Tronは低コストで使いやすいEthereumの代替を目指していました。
Tronの詳細については、当社のTronへの投資ガイドをご覧ください。
Tether、ジョージアの決済企業CityPay.ioに投資
Tetherは2023年5月31日、CityPay.ioへの出資でジョージアでの活動を拡大すると発表しました。同社によると、CityPay.ioは店舗、ホテル、レストランなど600か所以上で決済を扱っていました。投資は事業拡大とサービス改善を支える目的でした。
Tetherはジョージアで暗号資産決済への関心が高まっており、この投資を現地展開の第一歩と説明しました。対象は国としてのジョージアで、米国のジョージア州ではありません。
Tether、2023年6月にUSDT時価総額の最高記録更新を発表
Tetherは2023年6月1日、USDTの時価総額が、同社の比較で2022年5月の記録である832億ドルを上回ったと発表しました。これは同社による歴史的比較で、他のデータ提供者では測定値が異なる場合があります。Tetherは増加をステーブルコイン需要の拡大と解釈しました。

USDTの時価総額
記事が2023年6月に参照した準備資産データでは、資産約856億ドルに対し負債約832億ドルで、差額は約24億ドルでした。この超過額は現金の流動性バッファーと同義ではありません。Paolo Ardoinoは銀行口座を持たない人や新興市場での利用を強調しました。金融の自由、透明性、信頼についての発言は同社自身の評価です。
USDTの詳細については、当社のTetherへの投資ガイドをご覧ください。
ステーブルコインは暗号資産市場の流動性に重要な役割を果たします。元の記事は時価総額と取引量の縮小を、市場の弱さを示すものと解釈していました。当時伝えられたJPMorganの見解では、減少が続く限り回復は不確実でした。これは分析上の判断で、将来を確定するものではありません。












