不動産
純損失の拡大を受け、NexPoint Residential Trustは2026年のコアFFO見通しを引き下げ

NexPoint Residential Trust (NXRT ) 第3四半期決算を発表し、2026年11月3日、四半期純損失が拡大した一方で売上高が増加したことを受け、通期のコアFFOおよび既存物件NOIの見通しを引き下げた。2026年9月30日終了四半期の売上高は6,450万ドルとなり、前年同期の6,280万ドルから増加した。一方、普通株主に帰属する純損失は1,150万ドル(希薄化後1株当たり0.45ドル)となり、前年同期の780万ドル(希薄化後1株当たり0.31ドル)から拡大した。
同社の調整後営業活動による資金(FFO)指標であるコアFFOは、前年同期の1,770万ドル(希薄化後1株当たり0.70ドル)から1,340万ドル(同0.52ドル)に減少した。株式報酬費用をさらに調整したAFFOは、2,020万ドルから1,620万ドルに減少した。経営陣は、純損失の拡大は主に不動産運営費用が200万ドル、支払利息が260万ドル増加したことによるもので、売上高の160万ドル増加が一部を相殺したと説明した。
既存物件では費用の伸びが売上高を上回る
連結売上高の増加は、既存物件のポートフォリオによるものではなかった。第3四半期決算補足資料によると、比較対象の両期間を通じて保有していた35物件、12,980戸からなる既存物件群(ポートフォリオの約98%を占め、Sedona at Lone Mountainを除く)の売上高は6,200万ドルとなり、0.7%減少した。賃貸収入は1.4%減少したが、その他収入が29.4%増加し、減少幅を和らげた。既存物件以外の物件からは140万ドルの売上高があり、既存物件の減収にもかかわらず連結売上高の増加に寄与した。
既存物件の稼働率は70ベーシスポイント低下して92.9%となり、実効月額平均賃料も0.7%下落して1,487ドルとなった。運営費用はこれを大きく上回るペースで増加し、11.2%増の2,640万ドルとなった。修繕・維持費は20.0%、固定資産税は15.4%、光熱費は11.8%それぞれ増加した。その結果、既存物件の純営業収益(NOI)は8.2%減の3,560万ドルとなった。これは、当四半期の物件運営の悪化が、稼働率と賃料の低下だけでなく、費用の上昇も反映していたことを示している。
賃貸関連指標からは、こうした圧力が第4四半期にも続いていることがうかがえる。第3四半期の新規契約の賃料改定率はマイナス4.5%で、契約更新時のプラス3.2%と対照的だった。10月も新規契約の賃料改定率はマイナス3.6%とマイナス圏にとどまった一方、更新時はプラス2.1%となり、期末稼働率は92.3%だった。
2026年の見通しを下方修正
NXRTが改定した予想では、通期のコアFFOは希薄化後1株当たり2.17~2.27ドルで、中央値は2.22ドルとなる。従来の中央値は2.45ドルだった。1株当たり損失の予想は1.72~1.63ドルとなり、損失額の中央値は1.68ドルと、従来の1.54ドルを上回る。
既存物件の前提を見れば、業績見通しを見直した理由が分かる。通期売上高の伸び率は、従来のプラス0.2%からマイナス0.9%を中央値とする見通しに変わった一方、総費用の伸び率は2.1%から4.4%に上昇した。既存物件NOIはマイナス5.1%からマイナス3.6%の範囲となる見込みで、中央値はマイナス4.3%。従来の中央値はマイナス1.0%だった。これらの予想は、通期の既存物件群35物件を対象としている。
同社は買収額の中央値を1億ドルから1億1,600万ドルに引き上げ、売却額の中央値は1億ドルで据え置いた。想定される取引額は1株当たり損失とコアFFOの見通しに織り込まれているが、実際の買収額や売却額はこれらの前提から大きく異なる可能性がある。
負債と資本政策
2026年9月30日時点の有利子負債残高は16億2,000万ドルで、前年の15億ドルから増加した。10月1日、NXRTはリボルビング信用枠からさらに3,300万ドルを引き出し、同信用枠の元本残高は1億1,210万ドル、信用状の残高は200万ドルとなった。
翌日、REITはノースカロライナ州ローリーにある228戸の物件、Midtown Crossingを3,200万ドルで取得し、実質所有割合は100%となった。10月26日、取締役会は2年間で最大1億5,000万ドルの普通株買い戻しを承認した。これは買い戻しの完了を意味するものではなく、買い戻し枠の承認である。また、2026年12月15日時点の株主に対し、同年12月31日に支払う1株当たり0.53ドルの四半期配当を承認した。
今回の四半期決算から、NXRTの事業運営における明確な課題が浮かび上がる。買収によって連結売上高を増やせる一方、費用と支払利息の上昇に伴い、物件単位の収益は減少している。10月も新規契約の賃料改定率がマイナスで、既存物件NOIの見通しも引き下げられたなか、最終四半期の焦点は、NXRTが買収や自社株買いの可能性に対応しながら、負債と支払利息の増加を管理し、既存ポートフォリオを安定させられるかどうかだ。












