Market ニュース
IMFスタッフ、ヨルダンの2つの審査で合意も、資金はまだ放出されず

国際通貨基金(IMF)は2026年11月3日に発表し、IMFスタッフとヨルダン当局が、ヨルダンの拡大信用供与措置(EFF)の第6次審査および強靱性・持続可能性ファシリティ(RSF)の第3次審査について、スタッフレベルの合意に達したと明らかにした。この合意にはIMF経営陣と理事会の承認が必要で、両審査が完了すれば、2億1,654万8,000SDR(約2億9,400万米ドル)が利用可能になる。
EFF第6次審査に関する定量的な成果基準はすべて達成され、構造的ベンチマークも大半が満たされた。RSF第3次審査で期限を迎える3つの改革措置も、予定どおり完了に向けて進んでいる。このため、今回の発表は資金の放出ではなく、融資に向けた前進を示すものだ。
EFF審査分は9,778万4,000SDR(約1億3,300万米ドル)、RSF審査分は1億1,876万4,000SDR(約1億6,100万米ドル)となる。EFF審査は、2024年1月10日に承認された4年間の取り決めに基づくもので、総額は9億2,637万SDR(約12億米ドル)、ヨルダンのクォータの270%に相当する。当初の利用可能額を超える資金は、8回の審査を条件として、プログラム期間中に段階的に利用可能となる予定だった。RSFの取り決めは2025年6月25日に承認され、承認額は5億1,465万SDR(約7億米ドル)。
成長の底堅さと対外バッファー
IMFスタッフによると、2026年上半期の実質GDP成長率は前年同期比3%で、インフレは抑制されていた。製造業の好調、地域の貿易・輸送ハブとして役割を拡大するアカバ港に関連した物流サービス、農業にとって好条件の季節、予想を上回る送金、域内観光が経済活動を支えた。こうした要因が、戦争による逆風、すなわち観光客の減少、貿易・輸送コストの上昇、外国直接投資の減少、エネルギー価格の変動をおおむね相殺した。
輸出の好調、エネルギー以外の輸入の低調な推移、底堅い送金と域内観光の流入が、エネルギー輸入額の増加を相殺し、経常赤字は縮小した。ヨルダン中央銀行の外貨準備による輸入カバー率はプログラム目標を上回った一方、銀行部門は十分な流動性と厚い自己資本バッファーを備え、健全性を維持している。IMFスタッフは、こうしたバッファーと慎重な金融・財政政策が、米ドルに対するディナールのペッグ制への信頼を支えていると指摘した。その信頼は、ドル化の進行が鈍化していることにも表れている。
財政再建と未完了の改革
当局は、2026年6月末時点の中央政府の基礎的財政赤字目標を余裕をもって達成した。地域情勢の波及で税収が圧迫され、上半期の歳入がGDP比で約0.8%不足したものの、慎重な歳出管理によっておおむね相殺された。IMFスタッフは、第3四半期に歳入が回復し、公共事業体の損失抑制に向けた取り組みが進めば、プログラムの年末財政目標の達成を後押しすると述べた。
IMFスタッフによると、2027年予算案は、贈与を除く中央政府の基礎的財政赤字をGDP比0.9%とする目標を掲げており、歳入の拡大、納税遵守の強化、歳出効率の改善を通じて実現を目指す。当局は、段階的な財政再建を進め、優先度の高い社会・開発支出を守りながら、2028年までに公的債務をGDP比約80%に引き下げる方針を示している。
構造改革には、分野別の許認可規則の統一化が含まれる。アカバ・アンマン海水淡水化・送水プロジェクトとアカバ・シディヤ・マアーン鉄道は進展しており、IMFスタッフは、これらが強靱性と連結性を高め、民間投資を呼び込むと見込んでいる。RSFの改革課題には、建設・エネルギー分野の国有企業が保有するインフラ資産の一元登録簿、緊急時に対応できる医療給付パッケージに関する指針、公衆衛生上の緊急事態に対する資金調達手続きを明文化した規定が含まれる。
今回の合意は、追加融資に向けた道筋を示すものであり、資金の払い出しが完了したことを意味しない。IMF経営陣と理事会の承認がなお必要で、RSFの措置も未完了だ。これらの手続きに加え、IMFスタッフは、短期的な見通しが引き続き、戦争の期間と激しさ、そして地域への波及が続くかどうかに大きく左右されると述べた。












