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2022年8月のマージ前に議論されたEthereumノードの集中とEthereum Classicの採掘

2022年8月末、Ethereumは9月中旬を目標に、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へのマージを予定していた。その移行を前に、ノードのホスティング集中が看過できない論点となっていた。以下の数値や見通しは当時の状況を記したものである。
ノード運用の分散化をどう進めるか
分散化はブロックチェーンの重要な理念である。一部の観測者は、公に発見できるEthereumノードの多くが少数のクラウド会社に依存している点を懸念していた。大手事業者の障害や方針変更は複数の運用者に同時に影響し得る。ただし、それだけでネットワーク全体を一社が支配しているとはいえない。ノード数、ホスティングの割合、PoSの検証に使われるステーク量は別の指標である。
Web3インフラ企業W3BCloudのMaggie Loveは、懸念を表明し、集中したホスティングへの依存をもっと注視すべきだと述べていた。分析プラットフォームのMessariは2022年8月18日のTwitter投稿で、データセンターにホストされたEthereumノードの約69%が大手3社に集中していると報告した。AWSが半数超という説明も、このホストされたグループを対象とするもので、すべてのネットワークノードやPoSの検証力の半数超を意味しない。
地理的・事業者別の集中がもたらすリスク
ノード追跡サービスのEthernodesを引用し、記事はAWSを1,442ノード・53.3%、Hetznerを455ノード・16.0%、Oracle (ORCL ) Cloudを121ノード・4.3%と記していた。これは当時の調査値で、件数と割合は同一の分母で完全には整合しない。ネットワーク全体の支配力の正確な比率として扱うべきではない。ハードウェア、保存容量、通信、保守の負担がクラウド利用を促していたが、通常のノードを動かすだけで32 ETHの預け入れが必要なわけではない。
Ethernodesの集計は地理的集中についても懸念を示していた。記事によれば観測されたノードの約3分の2が米国、ドイツ、シンガポール、英国にあった。ただし、公開追跡は非公開・到達不能のノードをすべて数えるものではない。

同じ当時の調査では米国が2,490ノードで44.56%を占め、これら4カ国にはそれぞれ200以上のノードがあるとされた。地理的集中は政府の規制やサービス障害の影響を共有するリスクを高め得るが、一国の措置でEthereum全体が必ず停止するという意味ではない。
ノードの負担に関する開発者の見解
Ethereum開発者のPéter Szilágyiは、データ量の増加とホスティング依存を巡り「ステート・レント」という案に言及していた。これはブロックチェーンの状態データを保持するための料金の仕組みで、州や政府に家賃を払うという意味ではない。議論のある案であり、当時すでに採用された統一方針ではなかった。
彼は不要なデータを削除して容量を抑えるデータベースのプルーニングを、自宅でのノード運用のために重要だと述べていた。対象は初期の投資家ではなく家庭で運用する人々である。負担を減らす作業は進められており、大規模なインフラを自ら維持したがらない運用者だけを責めるべきではないという見解だった。一開発者の発言を、そのままEthereum Foundation全体の公式方針とみなすことはできない。
マージでEthereum Classicが恩恵を受ける可能性
マージ前には、一部の観測者がEthereum Classic(ETC)の採掘力増加に注目していた。2016年の分岐後、別のチェーンとして続くEthereum Classicを保有者、投資家、トレーダー、マイナーが見守っていたのは、マージでEthereum本体のPoW採掘が終わる予定だったためだ。すべてのマイナーが必ず廃業することや、ETC価格が必ず上がることを意味しない。
ETHマイナーはGPUなどの新しい用途を探す必要があった。互換性のある一部の機器はPoWのETCに転用できたが、採算は機器、電力費、収入に左右される。記事の20~50倍という比較はEthereumとETCの総採掘力の差であり、個々のマイナーの能力差ではない。異なるアルゴリズムのハッシュレートを同じ比率で直接比較することもできない。
ETC開発者Meowbitsは、51%攻撃のリスクに関する分析で、「Ethereumでの採掘終了に伴い、一部のマイナーがETCのハッシュレートを増やす可能性がある」と見込んでいた。これは移動の可能性を示す予測で、特定量の流入を約束するものではない。
他のPoWネットワークや別用途への転用も考えられた。ただし、ETH用GPUをそのままBitcoin採掘に回すことは、採算上同じ選択肢ではない。BitcoinのSHA-256採掘は専用ASICが中心で、EthereumやETCとはアルゴリズムが異なる。EthereumのPoW分岐チェーンを作る構想も別の可能性として議論されていた。ここで述べるのは当時の計画であり、将来の収益性を保証するものではない。
ハッシュレート増加は安全性を高め得るが、リスクをなくすわけではない
PoWで採掘力の過半を握る攻撃者は、秘密の分岐チェーンを使って取引履歴を組み替え、二重支払いを試み得る。ノード数の過半や全利用者の秘密鍵を支配することとは異なる。ETCは過去に複数の攻撃を受けており、安全性への深刻な懸念があった。2016年のDAO事件は別の問題で、スマートコントラクトの脆弱性とその後の分岐をPoWの51%攻撃と混同すべきではない。
記事が引用したMessariによれば、2022年8月末のETC推定ハッシュレートは43.76 TH/s付近だった。月半ばごろは約30 TH/sであり、単純に約2倍とする説明は適切ではない。単位はテラハッシュ毎秒であり、43.76 H/sではない。1 TH/sは10¹² H/sに相当する。これは当時の採掘力の推定で、取引活動や現在の最高記録を表すものではない。

Meowbitsの説明では、互換性のある採掘力が増え、ETCがその機器の主な用途になれば攻撃コストは高まり得る。しかし、採掘力の分布、レンタル可能な機器、経済的な動機にも左右され、リスクはゼロにならない。ハッシュレートが上がれば価格も必ず比例して上がるわけではない。記事作成時のETC価格は約32.74米ドル、時価総額は約44億6,300万米ドルとされていた。いずれも2022年の歴史的な値で、現在の相場ではない。
詳細は、当サイトのEthereumへの投資およびEthereum Classicへの投資ガイドを参照してほしい。












