デジタル資産
HSBCとThe Sandbox:2022年3月に発表したメタバース体験の計画

2022年3月、メタバースは仮想空間での活動を試みる金融機関の関心を集めていた。世界有数の国際銀行グループであるHSBCは、The Sandboxとの提携を発表した。The Sandboxは、よく知られた仮想ゲーム世界だ。
このパートナーシップを通じて、HSBCは仮想コミュニティと金融サービス事業者、スポーツやゲームのコミュニティを結ぶ機会を探ろうとしていた。スポーツ、eスポーツ、ビデオゲームの愛好家と交流するため、The Sandbox内の土地LANDを取得する計画だった。
HSBC、The Sandboxと提携
HSBCはスポーツパートナー、ブランドアンバサダー、Animoca Brandsとともに、教育的で包摂的かつ利用しやすいブランド体験の開発を目指していた。教育という要素は計画中の体験の一部であり、2022年3月16日の発表は、独立した正式な金融リテラシー教育サービスの内容を示したものではなかった。
新型コロナウイルスの流行は、デジタル銀行サービスへの需要を高めた。銀行は同時に店舗網を見直し、デジタル窓口を拡大していた。ただし、金融機関が一般に実店舗を放棄したり、メタバースで置き換えたりしたという意味ではない。
当時、メタバースはWeb3を体験する新たな方法の一つとして紹介されていた。両者は関連するが同じ概念ではない。仮想世界や、拡張現実、仮想現実、これらを含むXRといった没入型技術は、Web3のアプリケーションと組み合わせることができる。当時HSBCのアジア太平洋地域マーケティング責任者だったスレシュ・バラジは、新しいプラットフォームに既存顧客と将来の顧客への機会を見いだしていた。
バラジは、The Sandboxとの提携によってHSBCがメタバースに進出し、新規・既存顧客向けの新たなブランド体験をつくれると説明した。スポーツパートナー、ブランドアンバサダー、Animoca Brandsと教育的で包摂的かつ利用しやすい体験を開発することへの期待も示した。
The Sandboxの共同創業者兼最高執行責任者であるセバスチャン・ボルジェは、大規模で実績のある機関がWeb3を探り、娯楽、ゲーム、ユーザー作成コンテンツを通じて利用者とつながろうとしている兆候だと評価した。
ボルジェは、機関が新たなエコシステムでブランド体験や参加の仕組みを開発し、Web3とメタバースをより広く活用する始まりになり得ると考えていた。
Animoca BrandsはThe Sandboxの親会社だった。同社はツイートで、HSBCがThe Sandboxの既存の200件以上の提携に加わると述べた。これにはWarner Music (WMG ) GroupやUbisoftとの提携も含まれていた。数字は提携の件数であり、200件以上の銀行・金融サービスがすでに稼働していたという意味ではない。
JPMorgan、メタバースへ進出
ウォール街の大手金融機関であるJPMorganは、2022年2月にDecentralandで仮想空間Onyx Loungeを開設し、当時、この世界でこうした拠点を設けた初の銀行と紹介されていた。Decentralandはブロックチェーンに基づく仮想世界であり、ラウンジはすべてのサービスを提供する通常の銀行支店とは異なる。
この取り組みに前後して、JPMorganはメタバースの事業機会に関する報告書を公表した。1兆ドル超という推計は潜在的な年間売上機会を指し、確実な市場価値を意味するものではなかった。Onyx Loungeは2022年2月に発表された。OnyxはJPMorganが2020年に設立したブロックチェーン部門だった。
JPMorganはデジタル資産やブロックチェーン技術に取り組んでいた。これは当時の最高経営責任者ジェイミー・ダイモン個人のビットコインに対する懐疑的な考えとは分けて捉える必要がある。記事は、彼が以前ビットコインを「価値がない」と評したことに触れていたが、ブロックチェーンの応用を開発することは、ビットコインを良い投資と考えることと同じではない。
記事は事業の拡大を前年の暗号資産分野の成長や顧客需要と結び付けていた。ただし、これだけでダイモンのビットコイン観が全面的に変わったと証明されたわけではない。仮想Onyx Loungeで来訪者を迎える要素の一つが、ダイモンのデジタル肖像画だった。
Onyx LoungeはDecentralandの仮想商業地区Metajukuにあった。Republic Realmが東京の原宿に着想を得て開発した地区だ。
詳しくは、当サイトのThe Sandbox投資ガイドをご覧いただきたい。












