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ナノテクノロジーに関連する11社の株式
進行中のナノテクノロジー革命
ナノテクノロジーはすでに多くの製品に使われています。半導体産業はトランジスタ密度を高めるため、ナノメートル規模の構造を開発してきました。1ナノメートルは1メートルの10億分の1であり、100万分の1ではありません。
ナノ加工やナノ材料の進歩は、医薬品、繊維、エネルギーなどにも応用されています。
新しいナノ材料
グラフェン、ボロフェン、ナノチューブなどには特徴的な電気・機械・熱特性があります。ただし、あらゆる用途や指標で鋼鉄、コンクリート、チタンより優れているわけではありません。
二次元シートや管状構造など、形状はさまざまです。一部のグラフェン構造では極低温で超伝導が確認されていますが、一般的な室温超伝導が実証されたわけではありません。
こうした材料は新技術を支える可能性があります。しかし、材料の特性だけで宇宙エレベーターや人間並みのAIなどの実現性・採算性が証明されるわけではありません。
関連する材料と研究については、次の記事でも紹介しています。
ナノテクノロジーの影響を受ける産業
半導体は主要な応用分野の一つですが、ナノ材料はすでに他の産業でも商業利用されています。
ほかにも次の分野で利用や研究が進んでいます。
- 医薬品・医療。
- バッテリー。
- グリーンエネルギー:太陽光パネル、 水素生成、脱塩など。
- 航空宇宙。
- 建設。
- 繊維。
- 輸送・自動車。
- 食品生産・農業。
- 化学。
このように応用範囲は広がっていますが、すべての製品や工程がナノ技術を同じように利用しているわけではありません。
2023年の総説「ナノテクノロジー:現代産業における革新」は、さまざまな分野の事例を紹介しています。
ナノテクノロジーに関連する11社
この一覧は多様な応用分野を紹介するものです。企業の優劣を順位づけしたものではなく、各社の事業全体がナノ技術だけに依存しているわけでもありません。
1. Applied Materials
AMAT 価格チャート
Applied Materials (AMAT )は半導体製造装置を供給しています。製品には、金属・酸化物薄膜やパターン形成に関する技術などがあります。
同社の装置は多くの半導体メーカーで使われています。AI向け投資も需要要因ですが、継続的な成長を保証するものではありません。
サービス事業では長期契約や継続的な売上が重要です。60%超という契約型売上の説明はサービス事業に関するもので、連結売上全体の割合ではありません。契約期間や更新率も特定の報告時点の数値です。
2022年末までに報告された連続増収の実績は過去の情報であり、今後も増収が続くという予測ではありません。
同社は配当と自社株買いを行ってきました。配当利回りは株価にも左右され、過去の株主還元は将来の実施を保証しません。
多くの工程は薄膜や微細構造を加工し、一部は原子レベルの制御を行います。装置のすべての部品がナノサイズという意味ではありません。
関連する技術は太陽電池、ディスプレー、ロール・ツー・ロールのコーティングなどにも使われ、包装材やフレキシブル電子機器にも応用されています。
2. IBM
IBM 価格チャート
IBM (IBM )は1980年代からナノ技術を研究しており、走査トンネル顕微鏡を用いて表面上の原子を個別に操作する技術を示しました。
IBMは半導体と計算技術を中心に、アルバニーの研究拠点などで研究を進めています。例として次が挙げられます。
- 2021年に発表した2nmプロセス級の研究用チップ。2nmはプロセス世代の名称であり、すべてのトランジスタの長さが文字どおり2nmという意味ではありません。
- AI向け計算技術。
- 高NAのEUVリソグラフィーに関する研究。
- 量子計算。例えば2023年に発表した133量子ビットのHeronプロセッサーがあります。量子ビット数だけでは実用性能は決まりません。
IBMは企業向けの情報技術やサービスに強みを持ちます。提携の広さは重要ですが、すべての事業がナノ技術であるわけではありません。
例えば、製薬・ライフサイエンス企業にクラウド、AIなどのサービスを提供しています。
同社は金融、製造など幅広い産業で事業を展開しています。
3. 3M
MMM 価格チャート
3Mは多様な材料や工業製品を製造しています。製品数や事業構成は時期によって変化します。
接着剤、多孔質材料、ポリマー、セラミックスなど、応用分野は幅広くあります。

出典: 3M
同社は大規模な特許の蓄積と研究開発を報告しています。12万件超という特許数は累積値であり、年間の新規特許数ではありません。研究開発費約19億ドルも特定の報告期間の金額です。
3Mは2024年4月に医療事業をSolventumとして分離しました。分離時に残した19.9%の持分を、現在も変わらない比率と考えるべきではありません。Solventumは独立した企業です。
材料科学の知見と販売網は新製品の商業化を支えます。3Mのナノ技術への取り組みは長く紹介されてきましたが、競争力は製品ごとに評価する必要があります。
4. BASF (BASFY)
BASFは大手化学企業です。2024年当時の説明では、化学品、素材、産業ソリューション、表面技術、ニュートリション・ケア、農業ソリューションの6部門がありました。組織や従業員数は報告年によって変わります。
顧客は化学、プラスチック、輸送、農業、消費財などに広がっています。各分野の比率は分類方法と時点に依存します。

出典: BASF
BASFの2023年の研究開発費は約21億ユーロでした。ドルではありません。農業関連は重要な研究分野の一つです。

出典: BASF
コーティング、多孔質材料、ポリマーなどの一部では、ナノスケールの特性が活用されています。
2023年には、Nanotech Energy向けの電池正極活物質供給に関する協力を発表しました。地域内のリサイクル材料の利用も計画に含まれます。
BASFによると、Nanotech Energy、ABTC、TODAとの協力は北米での材料循環を進めるための取り組みです。これは事業計画の説明であり、全市場を対象とした循環システムが完成したという意味ではありません。
ダニエル・シェーンフェルダー:BASFの電池金属・リサイクル担当責任者
5. CATL(300750.SZ)
CATLは2023年の世界のEV用電池市場で約36.8%のシェアを持つ最大手でした。世界の全種類の電池生産の半分超を占めるという意味ではありません。
同社はリチウムイオン電池などを開発しています。別々の製品の性能を一つの電池の特性としてまとめないことが重要です。
- 長寿命の蓄電池も開発されています。ただし、リンク先のTAQ有機正極の研究はCATLの商用電池とは別の話です。
- ShenxingのLFP電池について発表された航続距離700kmや10分で400km分の充電という値は、車種、試験方法、充電条件に依存します。LFPはリン酸鉄リチウムです。
- 2023年発表の凝縮型電池では、セル単位のエネルギー密度500Wh/kgが示されました。航空機への利用には別途安全性やシステムの検証が必要です。
- 初代ナトリウムイオン電池は約160Wh/kgとされ、次世代では200Wh/kg超が目標でした。目標値をすべての量産製品の実績と考えることはできません。

出典: CATL
電池開発には電極、電解質、界面の理解が必要です。エネルギー密度だけでなく、安全性、寿命、コストも重要です。
CATLは中国で約32.5億ユーロ規模のリサイクル投資計画を発表しました。同社が報告した回収率はニッケル、コバルト、マンガンが99.6%、リチウムが91%です。特定工程の材料回収率であり、世界全体の使用済み電池の収集率ではありません。
CATLはTesla (TSLA )などに電池を供給しています。規模と研究は強みですが、将来の技術的優位や投資利益を保証しません。
6. Thermo Fisher Scientific
TMO 価格チャート
Thermo Fisher Scientificは化学・ライフサイエンス向けに分析機器やサービスを提供します。従業員数は時点に依存し、すべての製品がナノ技術向けではありません。

出典: ThermoFisher
DNA、RNA、タンパク質の研究ではナノスケールの構造を扱います。バイオ技術とナノ技術は重なりますが、同じ概念ではありません。
クロマトグラフィー、質量分析、電子顕微鏡は試料の分離や解析に使われます。原理や分解能は異なり、同じナノ技術に依存するわけではありません。
一部の機器にはナノ多孔質膜などが使われますが、構成要素は装置によって異なります。
新しい研究や治療法は機器需要を生む可能性があります。ただし、個々の発見が自動的に同社の売上増加につながるわけではありません。
同社はライフサイエンス投資の拡大から恩恵を受け得ますが、需要は資金調達や景気にも左右されます。
7. Graphene Manufacturing Group(GMG)
グラフェンは炭素原子一層の構造です。強度や導電性、熱伝導性は品質と測定条件に依存し、鋼鉄との比較をすべての複合材料に適用することはできません。グラフェン研究は2010年のノーベル物理学賞を受賞しました。
グラフェン材料はコーティングや複合材料などに使われます。耐食性や摩擦、熱伝導性は最終製品の配合や構造によって変わります。

出典: GMG
研究分野にはグラフェン半導体や極低温での超伝導グラフェンがあります。リンク先のMIT研究は室温超伝導を示していません。電池などへのコーティング利用も研究されています。

出典: GMG
GMGはメタンを分解してグラフェンと水素を生成します。水素は副産物であり、炭素原料をメタンと水素の両方と説明するのは不正確です。コストや純度の優位性は個別に検証する必要があります。
2023年にオーストラリアで稼働した設備について、年間最大100万リットルの熱交換器用コーティング能力が発表されました。純粋なグラフェンの量や実際の販売量ではありません。
GMGはグラフェン・アルミニウムイオン電池を開発しています。約290Wh/kgという推定値や大幅な充電速度の比較は研究用セルや企業の評価に関するもので、完成した商用電池パックの独立検証済み性能ではありません。

出典: GMG
8. Oxford Nanopore Technologies plc(ONT.L)
Oxford Nanoporeは、DNAやRNAがナノポアを通る際の電流変化を測定する方式を使います。配列は信号から計算で推定されます。遺伝情報のリアルタイム読み取りが史上初めて可能になったという意味ではありません。

出典: Oxford Nanopore
長い読み取り配列とリアルタイム解析は、ゲノム構築や感染症研究などに役立つ場合があります。精度と有用性は試料や用途によって異なります。
小型機器は現場での解析に役立ちます。約1,000ドルという導入価格は特定時期の製品・販売条件であり、解析に必要な費用のすべてを含むとは限りません。
今後の市場での位置づけは、精度、費用、用途、競合技術の進歩などに依存します。
IlluminaやPacBioの方法と競合する場合も補完する場合もあります。長鎖解析の強みだけで他の方式がすべて置き換わるとは言えません。
比較は「ゲノム解析に関連する5社」も参照してください。
タンパク質、翻訳後修飾、その他の分子の解析も研究されています。これらの目標すべてが確立した商用製品というわけではありません。
9. Nano Dimension
NNDM 価格チャート
Nano Dimension (NNDM )は、導電性・絶縁性インクなどを用いる電子機器の積層造形技術を開発しています。すべての製品がナノメートルサイズの部品を造形するわけではありません。
ナノスケールの造形は「ナノスケール3Dプリントの商業化への展望」で別途取り上げています。

出典: Nano Dimensions
同社が示す排出量、水、材料、薬品の削減率は、特定の製造工程の比較に基づく主張です。すべての製品の全ライフサイクルへ一般化することはできません。
航空宇宙や電子機器などに技術を提供しています。過去の急成長には買収や小さな初期売上も影響しました。成長率には明確な期間が必要で、将来の継続を保証しません。

出典: Nano Dimensions
2024年当時、経営陣と資産運用会社Murchinsonの間で経営権や戦略を巡る対立がありました。
Murchinsonの目的に関する経営陣の説明は当事者の主張であり、独立して確認された事実とは区別する必要があります。
2024年には対立が続く一方、同社はキャッシュフローの改善を報告し、Stratasysへの買収提案も行っていました。これは当時の状況であり、現在の企業構成を示すものではありません。
投資判断には最新の経営、所有構造、企業再編に関する情報が必要です。当時の対立だけで今後の結果は決まりません。
10. Nanobiotix
NBTX 価格チャート
NanobiotixのNBTXR3は平均約50nmの酸化ハフニウム粒子からなり、放射線治療を増強する候補として研究されています。

出典: Nanobiotix
粒子は腫瘍へ注入されます。約9倍という局所的エネルギー付与の説明は特定条件の物理的機構に関するもので、患者の治癒率が9倍になるという意味ではありません。
放射線照射時の局所的効果を狙っています。腫瘍内での保持と安全性は臨床的に評価する必要があり、「不活性」は副作用がないことを意味しません。

出典: Nanobiotix
NBTXR3は複数のがん種で臨床研究が進められ、JanssenやMD Andersonとの協力があります。JanssenはJohnson & Johnson (JNJ )のグループ企業です。初期の患者数や安全性所見は、あらゆる固形がんへの有効性を証明しません。
放射線治療は広く使われていますが、世界の新規がん患者数がそのまま特定製品の市場になるわけではありません。市場規模の予測にも不確実性があります。
2023年の契約は現金のライセンス料3,000万ドルと、Janssenの裁量による最大3,000万ドル相当のNANORAY-312向け規制・開発支援を含みました。6,000万ドル全額の現金払いではなく、別枠の出資可能性とも異なります。最大約18億ドルの追加支払いは条件付きで、段階的なロイヤルティーも設定されています。

出典: Nanobiotix
Curadigmは肝臓を経由する薬剤の除去に影響するナノプライマーを研究しており、肝機能全体を停止させるものではありません。Oocuityは神経機能に働きかけるナノ材料を研究しています。神経障害性疼痛は中枢または末梢神経系の損傷や病気に由来し、脳だけの問題ではありません。これらは研究計画で、列挙された疾患すべての承認済み治療ではありません。
11. ON Semiconductor Corporation
ON 価格チャート
onsemiは自動車、産業、エネルギーなど向けの半導体を製造しています。すべての製品が新しいナノ技術研究に直接関係するわけではありません。
2023年第1四半期には自動車向けが売上の約半分を占めました。2025年までの成長期待は当時の予測であり、実績ではありません。
同社のパワー半導体は炭化ケイ素(SiC)などを利用します。SiCは古くから知られる化合物ですが、製造技術やデバイス設計が進歩しています。高電圧での効率的な電力変換に役立ちます。
SiCは電動化の一部で重要ですが、すべての用途に不可欠ではありません。スーパーキャパシターや量子技術への応用も研究されています。
2020~2022年の連結増収をSiCだけの成果と説明することはできません。過去の成長率は将来の成長や利益を保証しません。
同社の顧客層は幅広く、2024年4月には電気化学センサー向けの新しいソリューションを発表しました。
電力変換の需要はSiC事業を支える可能性があります。成長は価格、設備能力、競争、需要変動にも左右されます。
自動車や産業の電動化は機会となりますが、AIデータセンターや太陽光、蓄電池の成長が、すべての製品の需要や株価の上昇を保証するわけではありません。
















